みなぶろぐ

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TX開業16周年によせて

 オタクタウン・秋葉原と学園都市・つくばを結ぶつくばエクスプレス(通称TX)が開通して16年を迎えた。

 16年。開業年に産まれた赤ちゃんが高校2年生になるだけの年月である。そういえばTwitterでもTXを追う次世代の鉄オタが目につくようになったものだ。数年前までは開通前から住んでいた方々や筑波大生しか見かけなかったように思う。彼らの中には就職により沿線を離れた方も多い。ひょっとすれば私も遠からず沿線を離れてしまうかもしれない。

 私自身も24歳半*1を迎えた。当時8歳の自分が24歳になってどんな大人になっていると想像しただろうか。周りがどんな世界になっていると想像しただろうか。

 未だに学生を続けているとは思わなかっただろう。「電車男*2のようにアニメやアイドルにハマるようになるとは思わなかっただろう。「特急田中3号*3のようにいい歳して電車を追いかけているとは思わなかっただろう。

 まさか未曽有の大災害や感染症により世の中が激変するなど想像もできなかっただろう。

 

 

 10年前、あるところに年に数度のTXでのおでかけに目を輝かせていた少年がいた。彼にとってのTXは未知の世界に連れて行ってくれる夢の乗り物だったはずだ。さぞかし彩度の高い景色が広がっていただろう。

 その頃、私は7時34分発の区間快速に詰め込まれ東京に通う日々を送っていた。開発の進展とともに日を追うごとに混雑が増す車内。ダイヤ改正の度に遅くなる区間快速。私にとってのTXは退屈な日常の乗り物となっていた。

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母に手を引かれ見に行ったTX。ピカピカな枕木と擁壁が懐かしい。2006年3月撮影

 当初はホームドア完備、トンネル内通信可能、自動運転、英語つきの車内自動放送といった最新システム尽くしで、車両もピカピカな特別な路線だと子供心に思っていた。しかし年月が経つと、千代田線や常磐線といった周りの路線でも同様のシステムが導入された一方、TXは10年間変わり映えせず、どんどん追い付かれていた。それどころか常磐線よりも混雑が酷く、ノロノロ運転を強いられるという負の側面が目立つようになった。そしてかねてより噂されていた東京駅延伸も音沙汰がない。

 隣の芝は青いとはいったもので、夏休みに部活に通う際にはわざと千代田線で行ったりした。電車賃の差額をガメて借りたTSUTAYAのCDの曲は今もスマホに入っている。

 

 そんなTXだったが、昨春に大きな変革を迎えることになった。

 新型車両・TX-3000系の導入である。

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 同じ顔の車両ばかり走り鉄道趣味的にもマンネリ化していた中で、新顔の電車の登場は私にとって弟が生まれたかのような気分だった。フォロワーを情報源に静岡県まで甲種輸送を撮りに行き、深夜に自転車を走らせ陸送も撮った。そして、3000系の一番列車に乗ることを楽しみにしていた。

 

 しかし、それよりもずっと大きな激変が世界を襲った。新型コロナウイルスである。中国を発端とした感染拡大は日本にも及び始め、徐々に不穏な雰囲気が広がっていた。

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3000系出発式。スピーフィ、MIR社長、守谷駅長が参列している

 3000系の出発式は無事挙行されたものの、華々しいデビューが憚られたのか特別なアナウンスはなく、あまりの味気無さに拍子抜けしてしまった。

 そんな呑気なことを思っていられたのもつかの間、4月になると緊急事態宣言の発出により通勤通学客が激減した。同月の利用者数は前年同期比56%に留まり、大震災すら霞んで見える過去最悪の減少となった。開業以来一貫して右肩上がりに乗客を増やしていたTXですらこのような利用者激減に直面したという事実は、改めて衝撃的だった。TX関係者からすれば、3000系デビューを機に更なる飛躍を夢見ていた*4のが急転したのだからもっとショックだろう。

 その後のことは改めて記すまでもないだろう。書いていて厭になる。先述した出発式の様子を改めて見て、当時の感染状況が2021年8月と比べ微々たるものだったという前提を踏まえても「随分と無防備なもんだな」と思ってしまう自分がいることに余計に厭になる。

 そして、なんといっても皮肉なことだが、3000系のデビューを機にTXを趣味の対象とすることに飽きてしまった。甲種輸送を撮りに行った達成感を通じ、アングルや光線によってさまざまな表情を見せる「従来」の鉄道に魅力を見出した一方、全線立体交差・ホームドア完備という性質が仇となりアングルが限られてしまうTXへの熱量は、相対的に下がっていった。

 

 16年後の自分は、TXは、世界は、どうなっているだろうか。このような激変に直面している自分にはやはり遠い遠い将来に思えて、全く想像がつかない。

*1:2月24日生まれ

*2:2005年に放映されたテレビドラマ

*3:2007年に放映されたテレビドラマ。作中にはTXの場面がある

*4:8両化事業の開始、東京方面延伸の具体化など

TX駅自動放送更新

今年2月、つくばエクスプレスの運行管理システムの更新に伴い、各駅の自動放送が更新されました。

1.主な変更点

・担当声優が変更されました(後述)。

・従来にはない英語放送、次列車予告放送(現在使用停止中)が追加されました。

・案内文が一部変更されました。

2.担当声優

更新前と同じく、奇数番線と偶数番線でそれぞれ男声と女声となっています。

旧放送では男声が関根正明さん、女声は長塚みどりさんが担当されていましたが、新放送の日本語男声は湯口和明*1さん、日本語女声は沢井則江*2さんとなっています。耳慣れない声ということもあり近年導入が進む合成放送ではないかという推測もありましたが、どちらも声優による放送です。

*1:エルシャダイのミカエル役。「神は言っている、ここで死ぬ運命ではないと」。交通関連での採用は初めてとみられる

*2:関西圏の鉄道やバスで採用されていたが、更新が進み耳にする機会は減っていた

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